2025年06月01日

共有名義の落とし穴とは?不動産を分ける際の注意点

「相続した不動産を兄弟で共有名義にした」
「実家を兄弟3人で相続したけど、名義変更はしばらくそのまま…」

こうしたケースはよくありますが、
実は共有名義には大きな落とし穴があるのをご存知でしょうか?
 
一見、平等でトラブルが少なそうに見える共有名義。
でも、後々、大きな揉め事や処分の難しさにつながることもあるのです💦

今回は、共有名義の注意点やリスク、円満に解決するためのポイントについてのお話しです。

共有名義とは?

不動産の「共有名義」とは、ひとつの不動産を複数人で持つ状態のことを言います。
 
相続では、特に以下のようなケースでよく発生します。

  〇 遺産分割協議で「とりあえず兄弟で均等に持とう」と決まった

  〇 親から生前贈与を受けたが、兄弟で一緒に受けた

  〇 離婚や再婚後の家族構成で、複雑な名義になった

 

例えば、兄弟3人でそれぞれ3分の1ずつの持ち分を持っている場合などです。

一見、平等。でも実は「共有名義」はリスクだらけ

共有名義には、以下のような大きなリスクや「困った」があります。
 

① 勝手に売却・活用できない

不動産を売却・賃貸などで動かすには共有者全員の同意が必要です。
1人でも反対すれば、動かせません。
例:「長男は売りたいが、次男が反対」→ 売却が進まない
 


② 修繕や税金の負担で揉める

固定資産税は共有者が連帯して支払う義務があります。
一人が払わないと、他の人に請求がいくケースも。
また、屋根や壁の修繕をしたいと思っても、他の共有者が反対すれば工事もできません。
 


③ 代替わりでさらに複雑になる

共有名義のまま放置していると、相続が繰り返されるたびに名義人が増えていくことになります。
例:兄弟3人で共有 → その子供たちで9人が共有 → さらに孫世代で…

こうなると、もはや何も決められない不動産となり、
処分もできず、空き家化・税負担だけが残るという状態になる恐れがあります。

実際にあった「共有名義トラブル」事例

🔹 事例1:売却したいけど1人が音信不通
ある兄弟3人で共有していた実家。
2人は売却に同意したが、1人は数年前から行方不明。
話し合いもできず、不動産は10年以上空き家のまま。

🔹 事例2:売却したいけど1人が海外在住
※先月、売却のご相談から約14ケ月を要して解決した事例です。
 
相続を繰り返した結果、叔父伯母兄弟従妹など計11人で共有していたマンション。 
1人が海外に住んでおり、連絡がなかなか取れず、
話し合いが進まず、相場より高値での売却機会を3度逃しました。 
 

🔹 事例3:感情のもつれから訴訟に
ある兄弟が遺産分割で「とりあえず共有に」と決めたが、
後に「自分の方が多く世話をしたから多くもらうべきだ」と感情的な対立に。
結果、裁判で長期化。

共有名義のトラブルを防ぐためにできること

✅ できるだけ共有にしない
 遺産分割協議で誰か1人が相続して、他の人に代償金を支払う方法(代償分割)が理想的です。
 

✅ 共有になってしまったら「すぐに対策」
 すでに共有名義になっているなら、早めに話し合いを行い、名義整理を検討することが大切です。
 

✅ 専門家への相談が早期解決のカギ
 不動産の評価や持ち分の計算、感情的な調整が必要な場合もあります。
 
司法書士・不動産会社・税理士などと連携して進めるのがスムーズです。

最後に・・・

共有名義は「問題の先送り」になるだけで、早めの対応が円満相続の秘訣です!

「とりあえず共有でいいか」と放置すると、正に動かせない不動産」になってしまいます。
代替わり・相続・売却時に揉めてしまう前に、早めの整理・相談がとても重要です。



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