結論からいえば、不動産売却したら健康保険料が上がる可能性はあります。
ただし、ご自身が加入している健康保険の種類によって、
影響を受けるものと受けないものがありますので、
それぞれの健康保険のケースについて確認していきましょう。
サラリーマンなどの社会保険の場合は、
不動産売却をして売却益が出たとしても、健康保険料が上がることはありません。
会社員が加入する健康保険は、「協会けんぽ」もしくは「組合健保」の2種類ありますが、
どちらも健康保険料の算出方法は同じで、
会社の給料をもとにした「標準報酬月額」という指標を使って保険料が決定されます。
不動産を売却して得た利益は一時的な副収入であり、給料ではないため、健康保険料には影響しません。
公務員や社会福祉法人などの団体職員といった人が加入する共済組合保険の場合も、
不動産売却をして売却益が出たとしても健康保険料が上がることはありません。
共済組合保険もサラリーマンの健康保険と同様に、
「標準報酬月額」を指標として毎月の給料から保険料が決定される仕組みになっているからです。
自営業者や無職の人が加入している国民健康保険の場合は、
不動産売却によって健康保険料が上がる可能性があります。
自営業者や無職の人には、給料のような保険料の算定基準となるものがなく、
前年度の総収入をベースとした「所得」を保険料の算定基準にしています。
税金を計算する際には、不動産売却で得た所得は他の所得と分けて課税(=分離課税)されますが、
国民健康保険料の算出においては、所得の種類に関係なく、全てトータルして「その世帯の所得」と判断します。
そのため、国民健康保険の場合は、
不動産売却という一時的な所得であっても、
その世帯の所得として計算するため、翌年の保険料が上がってしまうのです。
後期高齢者が不動産を売却した場合、国民健康保険者の不動産売却と同様に、
保険料(後期高齢者医療制度保険料)が値上がりする可能性があります。
後期高齢者医療制度の保険料の計算方法も国民健康保険と同じで「所得」が関係するため、
不動産売却によって譲渡所得が出ると所得が増えるため、保険料が増えてしまうのです。
では、自営業者や無職の人、後期高齢者が不動産売却をすると、
皆さん、必ず保険料がUPするのか?と言えば、そうでもありません。
なぜなら、不動産売却が健康保険料に直接影響を与えるケースは、
不動産を売却して“利益(譲渡所得)が出た場合”です。
ここで効果を発揮するのが、「特別控除」という存在です。
例えば、マイホーム(居住用財産)を売却した場合には、
「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用される可能性が高く、
その不動産の在る地域の相場にもよりますが、
譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得はゼロになり、
健康保険料への影響もないということです。
ただし、相続した不動産を売却する場合においては、
特別控除(「 空家の3,000万円特別控除」)が適用されないケースもありますので、
この時には注意が必要です。
「健康保険」「共済組合保険」の被扶養者が不動産を売却した場合、
扶養から外れる可能性がありますのでご注意ください。
ただし、こちらについては、保険組合の規定によって対応が異なります。
多くの場合は、不動産を売却して得た一時的な収入であるとみなされる場合は、
扶養から外れなくても良いとされているようですが、
被扶養者が不動産を売却する場合は、必ず健康保険組合に確認しておきましょう。
もし、扶養を外れなければならない場合は、国民健康保険への加入が必要ですので、ご注意ください。
※一旦扶養から外れてしまった場合でも、被扶養者の条件が整えばまた被扶養者に戻ることはできます。
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