2024年11月02日

「売却査定価格」と「売出し価格」について その2

今回は、前回からの続きです。
最も重要な「売出し価格」についてお話ししたいと思います。

まず、「一番最初の広告は注目度も高く、最も重要です。」とお話ししましたが、
何故、重要なのか?
それは、購入検討者の心理が大きく影響しています。

マイホームは、一生のうちに何度も購入機会がなく、高額であるため、
購入検討者は、「1円でも安く買いたい!損をしたくない!」という強い思いから、
凄まじい集中力を発揮し、日々、様々な情報を収集しておられます。
そのため、売主となるあなたより、“相場をよく知っています。”

実際によく目にする事例ですが、
購入検討者は相場をよく知っているため、
余りにも「売却査定価格(売却想定価格)」とかけ離れ過ぎた売出し価格に設定してしまうと、
一切見向きをしてくれません。
見向きもされずに時間が経過すると“売れ残り感”が出てしまいます。
そして、値下げを決断した時、
その額と判断のタイミングを見誤ると値下げの繰り返しが生じてしまい、
結果、「売却査定価格(売却想定価格)」より安い価格で取引成立となるケースが多々あります。
それほど、「売出し価格」は重要なものです。

売却のご事情を踏まえて「売出し価格」を決定する

売り出し価格の設定にあたっては、売却のご事情や売却期限などを踏まえ、
売却戦略を練る必要があります。

①時間的な余裕がある場合
空き家・空地など、特に売却期限が決まっていないようなケースであれば、
購入希望者が現れるまで、ゆっくり待てる時間的な余裕がありますので、
ご依頼者様が希望する価格を「売出し価格」として設定し、
その売却価格で購入してくれる希望者を待つこともできます。
極端なことを言えば、
「売却査定価格(売却想定価格)」が2,000万円の提示であったとしても、
「売出し価格」を3,000万円に設定することは可能となります。
とは言え、「売却査定価格(売却想定価格)」は、
不動産会社が持つ独自のデータや近隣の売出し事例・取引事例などの
客観的データを踏まえて算出した価格ですので、
当該価格より余りにもかけ離れた売出し価格となってしまうと、
成約に至る可能性は限りなく低くなってしまうことが想定され、
先にご説明の事情に陥ることもありますので、
時間的な余裕がある場合でも、「売却査定価格(売却想定価格)」をベースに、
不動産会社のアドバイスも参考に設定することがおすすめです。

②売却期限が決まっている場合
「買い換え」で購入する物件が先に決まっている場合や「任意売却」などは、
売却期間に余裕がないため、早期に不動産を売却して現金化しなればなりません。
そのような場合は、不動産会社が提示した「売却査定価格(売却想定価格)」を「売出し価格」として設定し、
当該物件への問合せや内覧状況を考慮しながら、段階的に売出し価格を下げていき、
売却期限までに売却を間に合わせるという戦略になると思います。

なお、売却期限が決まっている方の場合、
その代金(売却代金)の受領時期が決まっているケースが一般的かと思います。
不動産売買契約が成立したとしても、
売買代金全額が入金されるのは、通常、契約後1ケ月を超えます。
そのため、残代金受取日と引渡し日程も踏まえた売却スケジュールを立てる必要があります。
売却期限の長短によっても価格調整のタイミングが限定されますので、
不動産会社の担当者とよくご相談ください。
神戸市垂水区・西区・三木市・明石市におきまして、“家主業”においてご質問などございましたら、
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